納豆はシャワーと共に
前回に引き続き、離乳食の話。
長女は赤ちゃんの頃、食の細い子だった。
好き嫌いはあまりなかったが、全体的に食べる量が少ないタイプ。
特に肉や魚はほとんど食べず、たんぱく質メニューはもっぱら大豆製品か乳製品で作っていた。
豆腐や納豆は好んで食べたのでおかずに使ったり、デザートにヨーグルトを出したりした。
ところで、赤ちゃんや小さい子には納豆好きな子が割と多いように思う。
パックを開ければ食べられる納豆は、今でも長女の朝ごはんに重宝する。
ただ、離乳食に使うとなると、洗ったり、刻んだりとちょっとひと手間である。
なので、長男にはこれまで食べさせていなかったのだが、スーパーでひき割り納豆をさらに刻んだ商品を見つけ、これなら洗うだけ!と思い買ってきた。
(長女の時は、ひき割りより普通の納豆を食べる直前に刻んだほうが衛生的に良いと聞き、そうしていた。長男とはえらい差である。)
さて、今日の長男のお食事。
買ってきた納豆を早速使って、納豆とブロッコリーの混ぜ煮とお粥を用意した。
思った通り、洗うだけで鍋に投入できる刻み納豆はとってもお手軽。
あとは、長男が納豆の味を気に入れば、楽に使える食材が増えて母はラッキー。
ドキドキしながら口に運ぶと、長男はにっこり。
やったー!
楽に用意できる離乳食が増えるのは本当に嬉しい。
ベビーフードは優秀だが、それなりにお値段がするのが玉にキズ。疲れた時や
お出かけの時の必殺技として温存しておきたい。
しかし、納豆が使えて嬉しいと、ほくほくしながら長男に食べさせていたのもつかの間。
。。。。問題発生。
長男は、ベビーバスに座って食事をするのだが、最近彼はベビーバスの中で起き上がって縁を舐めたり、足の指を舐めたりするようになったのだ。
さらには、食べ物を頬張った口に指を突っ込んだり、口の周りをベタベタにしたまま顔中をこすったり。。。。
これらのことを、納豆を食べながらやったらどうなるか。
。。。ええ、きっとご想像のとおりです。
満腹になると共に、手も足も顔も、髪の毛やベビーバスまで納豆のいい香りになった長男を即座にすっぽんぽんにし、ベビーバスごと風呂場に直行。
午前中から一風呂浴びた長男は、お腹も膨れてご機嫌。
午前中から予想外の一騒動で、母はげっそり。
思えば、長女は女の子だからなのか本人の気質か、食べている時は大人しく食べる子だったのだ。
納豆でもモロヘイヤでもオクラでも、大人しくもぐもぐしていた。
だから、せいぜい着替える程度で、食事後にシャワーに直行したことはなかった。
同じ姉弟でも個人差は大きいなあと痛感した。
とはいえ、長男は納豆が気に入った様子。
こちらとしても使い勝手の良い食材。
事前に策を講じれば強い味方だ。
差し当たり、
①食後のシャワーはセット扱い
②食べる時の服装はおむついっちょうで
といったところだろうか。
尚、風呂場に運ぶ際、彼の手の動きには要注意だ。
うっかりしていると、こちらまでお着替えを余儀なくされますので。
豆腐のかたさのにんじんを食べたことがありますか
かなりしばらくぶりの日記になってしまった。。。
しばらく書かないでいる間に、長男は7か月になり、離乳食が早くも2回食になった。
長女は食が細かったので、離乳食も進みが遅く、2回食になったのは8か月後半だった。
ところが長男は食に対して超が付くほど貪欲。
5か月で離乳食を始めてすぐに、食べる楽しみに目覚めたらしく、大人や長女が何か食べているとよだれがたらたら。
美味しそうと思うとよだれが出るって、マンガの中だけじゃなかったのね、と感心してしまった。
離乳食も初期の頃は楽ちんだ。
とにかく野菜でも果物でもすりつぶして、お粥やパン粥と一緒に食べさせればいい。
私は大雑把なので、にんじん、大根、玉ねぎ、芋類を大きめに切って、圧力鍋で柔らかく蒸し煮にしたものをすりつぶして食べさせている。
葉物なら、くたくたに茹でて刻んですりつぶし。
面倒な魚類も、今はco-opの宅配に骨取りほぐし身の冷凍品がある。
レンジでチンしてすりつぶせばOK。なんて便利!
ところが、中期になると、とたんに難しくなってくる。
モノの本曰く、噛むことを意識させなくてはならないらしい。
噛むったって。。。
口の中はピンクの可愛い歯茎だけだ。
しかも、使うのは歯茎じゃなくて舌。
。。。舌!?
さらに追い打ちをかけるのが、食べ物のかたさの目安。
「豆腐くらいのかたさで」
はあ、まあ、舌でつぶすとなればそのくらい柔らかくないと無理だろうとは思う。
だが、あいにくと私には、豆腐くらいのかたさになったにんじんや大根やその他豆腐ではないものを食べた記憶がもう無いのだ。
そもそも、肉や魚などはどんなに煮ても豆腐のようにはなりそうにない。
長女の時は、相当気を遣い、市販のベビーフードをいくつも買って研究した。
もちろん、ベビーフードそのものにもお世話になった。
4年経って今、長男。
上手いこと調理できて、やわやわになれば刻んで食べさせるが、ちょっと硬かったときは、すりつぶしてくれてしまっている。
なんといういい加減さ、と自分でも思うが、それでも長男はもりもり食べるのだ。
丸のみもしていないっぽいし、お腹も健康。まあいいか、これが2人目の余裕よ、と良いように解釈している。
でも、時々は「豆腐のかたさ」を思い出し、
「豆腐くらいになってるかしら、このにんじん。。。」
と味見ならぬ「かたさ見」に精を出すこともあるのです。
ちなみに、長男の最近のお気に入りは、食パンの白いところをそのまま食べること。
パンについてのみ言えば、彼はもう離乳食完了しているのではないかと思う。
親亀コケると…
風邪をひいた。
ものすご〜く久しぶりに。
どのくらい久しぶりかというと、長女が2歳の冬にインフルエンザにかかって以来。
だから。。。2年半ぶりだ。(インフルを風邪カウントして良ければだが。)
ことの発端は、3月末に長女が風邪をひいたことだった。
季節の変わり目で、保育園でも風邪っぴきがうようよしていたので、ひくべくして引いてしまった風邪だった。
ただ、長女は生来とても丈夫なのと、子ども特有の自己治癒力の高さで、3日で完治。
やれやれ良かったと安心していたら、今度は夫が発熱&咳。
しかしこれも織り込み済み。
我が家は2DKなので、寝室は家族4人一緒。しかも、長女は夫の布団で寝るのが好きで、風邪だろうとなんだろうと夫の布団に潜り込む。
長女溺愛の夫が拒めるわけもなく。。。
だいたい、長女が病気になると夫にも移るのである。
手足口病が移った時には、心配半分、「この病気って大人も罹るんだ…」という驚き半分だった。
さて、家族が病気になれば、看病は私の役目なのだが。
長女に輪をかけて丈夫な私。
インフルはさておき、普通の風邪になどやられるわけがないと思っていた。
しかし、ノー風邪歴2年以上を過信しすぎたのか、日頃の寝不足が祟ったのか、寄る年波か、見事に風邪をひいてしまった。
38℃越えの発熱、鼻水、喉の痛み、頭痛。
まさに「THE風邪」
平熱が高いので、発熱は大して辛くないのだが、じわじわと辛かったのが鼻水だ。
息苦しいし、長男のおむつ替えをしていると、たらーっと垂れてくる。
口呼吸しようにも喉が痛い。
授乳中なので市販薬は避けたいが、長男を連れて病院にかかるだけの元気が出ない。
夜間授乳もあるので、夜通し寝ることもできない。
長男に移したら大変と思いつつも、置けない彼なので、せめてもの気休めで日中は抱っこを減らしておんぶして過ごした。
さらに追い打ちをかけたのが「食事問題」
夫は料理だけはからっきしなので、潔くコンビニ様に頼るつもりだった。
ところが、発生2日目の夜、長女が
「もう明日はコンビニのごはんはイヤだあ」
と言い出したのだ。
夫がハンバーガーやホカ弁を提案するも、却下。
それならと、夫と長女での外食を提案するもこれまたNO。
仕方なく、鼻をグスグスいわせながら、ヨロヨロと夕ごはんだけは作ることに。
朝ごはんは、夫が目玉焼きとおにぎりを食べさせて登園させてくれた。
そのほか細々とした家事や、子どもたちの面倒の大部分が夫頼みになり、5日ほどで私が復活した時には、夫がまた体調を崩していた。
ようやく、全員が本調子になったら、4月が半分以上終わっていた。
桜はろくに花を見た記憶のないうちに、すっかり葉桜だ。
なんともバタバタした年度始めになってしまったが、良かったことも。
長女に
「お母さんが風邪だと、いろいろ大変だったよ。お母さん、いつもえらいね」
と言われたこと。
そうだろう、そうだろう。
母はだてに毎日ぷりぷりしながら、あれしろこれしろ言っているわけではないのだ。
親亀がコケると大変なんだぞう、と少し威張った気分になった母である。
とはいえ、元気でいるに越したことはない。
体調管理に気をつけようと改めて思った4月である。
それにしても。
風邪っぴきの母からおっぱいを飲み、一日中べったり一緒にいても、全く移らなかった長男。
免疫が強いのか、長男がとても丈夫なのか。
いずれにせよ、我が家で最強なのは彼かもしれない。
ベビーバス再活躍
先日、長男が5ヶ月になった。
相変わらず抱っこまみれの日々だが、少し月齢が上がって目が見え始めたり、多少理解力が出てきたりしているのか、条件を満たせば置いても泣かずに過ごせる時間がわずかに出来てきている。
その条件というのが、
①満腹であること。
②眠くないこと。
③視界に親が入るか、長女がハイテンションであやせる場合に置くこと。
この3つを満たしていると、5分〜15分程度、泣かずに置かれている。
①と②は比較的満たしてあげやすいのだが、③がけっこう難しい。
長男は自力では動けないし、おすわりもまだできない。
日中、長男をちょっと置いておくためにベビーラックがあるが、なぜだか彼はラックが大嫌い。
置いたとたんに泣き出してしまう。
結果、長男を置ける場所はコタツの上がほとんどだったが、最近、彼は寝返りのきざしを見せ始めたのだ。
まだ90°までしかいかないが、何の拍子で180°回るとも限らない。
危なくて、コタツの上も置き場としては適当ではなくなってきてしまった。
かと言って、床に置くのも。。。
さあて、困った。
と思っていたら、ふとベビーバスが目に留まった。
長女の時は、空気で膨らませるタイプのベビーバスを使っていたが、途中で破れてしまって買い直しをしたので、長男にはプラスチック製のベビーバスを用意した。
台所のシンクで使えるタイプで、お尻ストッパー付き、西松屋にて2000円ちょい。
ベビーバスとして使わなくなってからは、お風呂場でバスチェアとして使っていたのだが。
これ、リビングで使ってもいいんじゃないか?
さっそく、お風呂場から持ってきて、バスタオルを中に敷いて長男を座らせてみた。
きょとんとしているが、いい子で収まっている。
お尻ストッパーがあるので、ちょうどいい傾斜で座って(寝て?)いられるようだ。
周りが見えるので、長男としても楽しいらしい。
ラックと違って、持ち運べるので、長男を入れたまま移動できる。
台所でも、リビングでも、置き場所も自由自在。
トイレの前に置いておけば、泣き声をBGMに用を足さなくても済む。(ドアは開けっ放しになるが…)
ベビーバスに収まっている長男を見て、バウンサーを買ってあげようかと義両親が言ってくれたが、1日せいぜい30分のために買うのももったいない。
見た目はちょっとアレだが、ベビーバスを使い倒そうということで夫と意見が一致した。
プラスチック製のものを買った時は、置き場や捨て方に困るかなとちょっと後悔したが、ベビーバス卒業後に役に立つとは嬉しい誤算だった。
ただ、トイレ前でニッコリ微笑まれると。。。
なんとも落ち着かない気分になる母である。
いつまで着せる?お姉ちゃんのお下がり
暖かい日が増えて、春めいてきた今日この頃。
気がつくと、長男のツーウェイオールがすっかりつんつるてんになっていた。
新生児用とはいえ、50〜60サイズという幅のあるものを着せていたのであまり気にしていなかったのだが、彼の身長はとっくに60センチを超えていたのだ。
衣替えも兼ねて、そろそろ70サイズのロンパースにしよう、買いに行こうと思った矢先、はっと思い出した。
ロンパースなら、長女のお下がりが山ほどとってあることを。
長女は我が家の初の赤ちゃんで、私の実家側では初孫・初姪。
夫の実家にとっても近居の孫は長女だけだった。
そのおかげか、ありがたいことに、シーズンごとの洋服を浴びるようにプレゼントしてもらった。
西松屋などの気軽なものから、デパートで買った高級なものまで、次々と貰い、更には親戚から新品同様のお下がりもわんさかやってきた。
ところが長女の身体は1つだけだし、ロンパースを着る頃はあまり服を汚さない赤ちゃんになっていた。(新生児の頃は吐き戻しが多かったのだが)
そのため、せっかく貰ったのに数回しか袖を通さずにサイズアウトしたり、季節が過ぎたりしたものがほとんど。
タグを切っていないものもあったはず。
早速、実家に行って押し入れの中を探してみると。。。
あった、あった。
70サイズの服を詰めた箱。
ポテトチップスの空き箱いっぱいに詰まったロンパースやら、カーディガンやら。
長女と長男は生まれ月が一月しか違わないので、服の季節とサイズが同じなのだ。
試しに着せてみるとサイズはぴったり。
生地も春物らしい厚すぎず薄すぎずのちょうどいい質感だ。
しかし。。。
試着中の長男を見て、長女が一言。
「うわぁ💕可愛い!長男、女の子みたーい」
。。。。ですよね。
長女に貰った服たちなので、もちろん女の子用。
ピンク系の色味、花柄、レースやフリルなど、これでもかと女の子らしく可愛いのだ。
生後4か月の赤ん坊なんて、服で性別を見分けているようなものである。
服が女の子なら、中身もおのずと女の子に見えてしまう。
新生児用のツーウェイオールは、長女の物を残しておかなかったので、何の迷いもなく長男用に男の子服を新調した。
しかし、70サイズ以降の服は、ロンパースだけでなく、かなりたくさん取って置いてある。
もったいない。
どうせ、1歳過ぎるくらいまで、いや2歳近くまでは服の好みなど主張しないだろう。
女の子用だってかまいはしない、、、か?
いやでも、写真に残るぞ。将来、長男が大きくなった時に
「僕は親の節約のためにお姉ちゃんのお下がりを着せられて、赤ちゃんの頃は女の子みたいな写真しかない!」
とかなんとかでショックを受けたらどうしよう…。
しばらく悩んだが、やはりもったいない精神が勝った。
長時間(といっても数時間)お出かけするとき用に1着、男の子用を買って、家の中と近所のお出かけは長女のお下がりで過ごすことに決めた。
長男は、吐き戻しはないが、よだれの多い子なので、朝とお昼頃に2度着替えをする。
おむつ替え中の噴水事故も起きるので、長女よりも1日に必要な服の枚数が多いのだ。
長女が着きらなかった服たちも、長男には存分に活躍してくれそうだ。
また、可愛い服を着た長男に、長女が思いのほか喜び、着替えの服を選んでくれるようになった。リアル着せ替え人形。
それに、正直なところ、私も女の子用の可愛い服を見るとちょっとテンションが上がる。
男の子用が可愛くないわけではないのだが、そこは私もかつての乙女として、レースやリボンにときめくのである。
異性のきょうだいの場合、いつまで上の子のお下がりを着せるのか。
少なからず悩みどころだ。
もちろん、全部新品を揃えてやりたい親心はあるのだが、親心と財布事情が一致するとは限らない。
まあ、まだ赤ちゃんだし、見た目可愛いしいいかなと大雑把な母は思っている。
一張羅の男の子用を買いに行くのに、長男は女の子の格好で行くのか。。。。!
今日は機嫌が「悪」ごはん
最近遅ればせながら、悪ごはんというものを知った。
主にお母さんと子どもが、お父さんのいない日に食べるもので、ピザをデリバリーしたり、カップ麺を食べたり、いっそお菓子で済ませたりするごはんのことだとか。
なんて魅力的な「悪」!!
我が家では、夫だけがごはんを食べないということはほとんどないので、悪ごはんをする機会はなさそうだなあ、とちょっと残念に思っていたが。。。
あったのだ。悪ごはん。
ただ、我が家の場合は、家族の誰かが機嫌の悪い時のごはん。
さしずめ、今日は機嫌が「悪」ごはんである。
機嫌悪ごはんは、誰の機嫌が悪いのかでメニューが大きく変わる。
まず、1番影響が少ないのは夫。
もっとも、夫の場合は機嫌が悪いというよりは、疲れて元気がない時というほうが正しい。
疲れているので、温かく消化が良くて、一皿で食べられるものがいいということで、煮込みうどんか五目雑炊を食卓に上げることが多い。
次は長男。
彼の場合は、なんとなく朝からグズっぽいので、早めにメニューを決めてしまえる。
カレーや親子丼、オムライスなどの一品完結のご飯ものにみそ汁か野菜スープをつけるメニューになることが多い。
細々とおかずを作らず時短にすることで、なるべく長男を抱っこしている時間を確保する作戦である。
さて、1番影響が大きいのが長女の機嫌悪い時だ。
長女の機嫌が悪いと、家中が荒れる。
それなのに、長男のように予測することができない。
大概、彼女の不機嫌は保育園から帰って来るときに始まる。
迎えに行った夫に、もっと遊ぶと言ってなかなか帰らず、やっと車に乗せると、「もっと遅い迎えが良い」だの「お母さんに迎えに来てほしい」だのとぐずり始める。
家に着いた時には、夫はすっかりくたびれ、長女は自分でもよくわからない何かに腹を立てている。
それからは、手を洗うのも、お風呂に入るのも、パジャマに着替えるのも、全部に文句をつけ、とりなす夫に悪態をつき、結果私に怒られる、というのをくり返すことになる。
泣いてグズって、何もかもにいつもの何倍も時間がかかるのだ。
おまけに大人もイライラしてくるので、もう、家中に最悪の空気が漂う。
19時までに夕ご飯なんてとんでもないし、そんなコンディションのときに「野菜も食べなさい」だの「箸を正しく持ちなさい」だの言うのは長女にも私たち大人にも苦行でしかない。
だから、長女の機嫌が悪ごはんの調理は、ご飯を炊くだけである。
それまでに用意しておいた食材は、一切合切ビニール袋に詰めて、冷蔵庫へ放り込む。明日食べればいいのだ。
代わりに、冷蔵庫からご飯に乗せれば食べられるものをバシバシ出す。
納豆、卵、梅干し、食べるラー油、昆布の佃煮、バター、醤油、天かす。
常温保存の棚からは、味のり、プリキュアのふりかけ、梅ごま塩。
全部テーブルに出して、ご飯は茶碗より大きい味噌汁用のお椀によそって、スプーンを並べて、あとは各自好きなものをご飯に載せて食べる。
おかずがないので、まあ、ご飯がすすむすすむ。
3人で2合のご飯が空になる。
栄養バランス?塩分控えめ?ナニソレオイシイノ?
糖質制限が取り沙汰される昨今を思い切り逆走する、糖質満載の夕ごはんである。
ちなみに、長女と夫はふりかけ卵かけご飯、私は納豆卵かけご飯が好きだ。
バター醤油ご飯もおいしい。
温かいご飯をお腹に入れて、食後のお茶を飲む頃には、不思議と長女も私たちも気持ちが落ち着いてくる。
あとは、もう歯磨きを明日の朝に念入りにすることにして、寝る!
と、保育園の先生には口が裂けても言えない悪ごはんを、つい昨日もしたところである。
長女が赤ちゃんの頃は、毎日ちゃんとご飯を作って、気持ちに余裕のある優しいお母さんでいようと思っていた。
でも、仕事に復帰したり、長男が生まれたり、長女が成長したりする中で、「毎日ちゃんと」は苦しいことに気づいた。
がんばればできるのかもしれないが、もうがんばりたくなーいとなる時もある。
そういう時は、がんばるのなんか放棄して、どっぷり「悪」に浸かればいいと思えるようになった。
ところで、私の機嫌が悪い時はどうなるかというと。。。。
ご飯すら炊かない。
コンビニへGO!だ。
美しくもシビアな蝶の世界『にわのキアゲハ』
ここ数日、暖かい日が続いたからか、長男との散歩中に小さなちょうちょが飛んでいるのを見かけた。
春が近づいてくると、長女の読み聞かせに登場するのが、
岩渕真理作『にわのキアゲハ』(福音館書店 かがくのとも2016年4月号)
である。
リアルで美しい絵と、小さい子でもわかりやすい丁寧な文章が魅力的な説明文的絵本だ。
読み聞かせというと、物語的な本をイメージしていたが、長女は意外と説明文的な本も好む。
思い返してみれば、私も子どもの頃は、説明文的な本に気に入っているものが多くあった。
文章が整然としていて、子どもにはわかりやすいのかもしれない。
『にわのキアゲハ』は、卵で産み付けられたキアゲハが、孵化して脱皮を繰り返し、蛹を経て成虫になるまでの話である。
と、これだけ書くと、何が面白いのかと思われてしまうだろうが、絵と内容がとにかくリアル。
産み付けられた時は38個あった卵は、卵のうちに食べられたり寄生されたりして、孵化できたのが半分ほど。
更に孵化してすぐにクモなどの他の生き物に食べられてしまうものもいる。
その、食べられる様子もちゃんと描かれている。
その後、脱皮を繰り返しながら大きくなっていく幼虫。
しかし悲しいかな、大きくても幼虫は幼虫なので、さまざまな天敵に次々と食べられてしまうのだ。
その成長の様子と天敵との攻防、敗北が絵本らしい優しい文調で淡々と書かれていく。大人が読んでも「へえ〜」と思う。
絵も写真のように鮮やかで精密。
正直、キアゲハの幼虫などはちょっと触るのがためらわれるくらい本物っぽい。
背景の植物や他の虫も豊富に描き込まれているので、本文とは関係ない生き物を探すのも楽しい。
長女は特段虫好きではないが、それでも面白いようなので、虫好きならもっと楽しいかもしれない。
自然界は厳しい、とよく聞くけれど、本当にそうなんだなあと子どもでも実感できる1冊である。
実際、長女はキアゲハだけでなくちょうちょを見るにつけ、
「がんばったんだねえ、食べられなくて良かったよねえ」
と言うようになった。絵本、侮り難し。
ただし、この本は虫嫌い、特に幼虫系が苦手な人にはおすすめしない。
絵が図鑑並みなので、軽いトラウマになるそうだ。
だから、虫嫌いの夫は絶対に読み聞かせ致しません。