「子ども時間」を考える
子を持つ親の口ぐせはなんだろう。
いろいろあるだろうけれど、口ぐせランキングをもし作ったら、絶対に上位にランクインすると思うのが、
「早くしなさい」
である。
我が家でも頻出。
特に、長女帰宅後の、お風呂〜夕ご飯〜就寝までの約2時間は、「早くしなさい」の大盤振る舞いだ。
我が家は、夫も私も仕事は定時で切り上げて帰れる職場なので(自宅残業はしょっちゅうだが)、夫が保育園へ迎えに行き、私は夕ご飯とお風呂の準備をして待っている。
18時ちょい過ぎに夫と長女が帰宅するので、即お風呂。
長女の保育園は、田舎の野山を駆け回るワイルドな園なので、帰ってくるとホコリやら砂やらにまみれている。
夕ご飯は19時頃で、20時少し前にはデザートまで食べ終える。
と、ここからが戦いの始まりである。
私と夫「大人軍」は、20時半には長女を布団に入れて消灯したい。
そのため、長女がスムーズに歯磨きとトイレを済ませられるよう、あの手この手で行動を促す。
その時のアイテムの一つが、夫作の長女用時計。
100円ショップの置き時計の文字盤に、どうぶつのシールを貼った物。
20時15分までに寝る準備が整えば、何でも好きな本を読み聞かせる約束をしているので、時計の3の文字盤「うさぎ」までに準備を頑張ろうと、声をかけるのだが。。。
まあ、こちらの思惑通りには全然いかない。
歯磨き(親が最初から磨いてやる)とトイレだけに、食後から15分以上時間をとっているのに、全然間に合わない。
それもそのはずで、まず椅子から降りた長女は、寝かしつけ中の長男の様子を見に行ったり、ふと目に付いたおもちゃを手に取ってみたり、はたまたトイレの中で今日覚えてきた歌(オペレッタ風でやたら長い)のリサイタルを始めたりするのだ。
歯磨き中も、夫や私に話しかけるので、なかなか磨ききらない。
もう、大人軍のイライラたるや言ふべきにあらず。
「早くトイレに行こう」「早く歯磨きしよう」「早くしないと時間になっちゃうよ」
と、「早く」の乱れ撃ちだ。
しかし、長女は牛歩の進み。
彼女がやっとその気になるのは、15分直前か15分を過ぎてから。
しかも、
「長女は一生懸命やってるのに!!時間が短すぎるんだよおっっ」
という理不尽な怒りを爆発させる。
1週間に1日くらいはスムーズにいくこともあるのだが、まあ大概は長女が怒り、親も怒る。
なんでかなあ、時間は十分なハズなのに。
そう思っていたが、ふと思い出した。
「子どもに何かさせるときは、大人の3倍時間をとること」
職場の大ベテランの人のお言葉。
私の職場は子どもと関わるのが仕事なのだが、「大人の3倍」は大ベテランさんの口ぐせだった。
子どもの15分でトイレと歯磨きというのを大人に置き換えると、5分でトイレと歯磨きということになる。
あれ、確かにちょっと忙しいかも。。。。
しかも、こちらがやってほしいことって、子どもにとっては大して面白くもないことが大半だ。
余計に時間がかかるよねえ。
何もかも、というわけにはいかないけれど、大人の3倍が「子ども時間」と考えると、少しだけ気持ちに余裕もできる気がする。
仕方ないか〜。と。
とはいえ、「早く」と言わないわけにもいかない。
明日から、心の中で
(3倍かかるのは分かってるけど)と言ってから
「早くしようよ」と口にしてみようか。
それとも、長女に赤い服でも着せて、角をつけたら“3倍早く”なるかしら。